弁護士事務所の運営をLINEで自動化する方法

弁護士事務所のLINE自動化 完全ガイド|弁護士事務所の設計図

弁護士事務所のLINE自動化
完全ガイド

友だち追加から相談予約・書類受付・費用通知・進捗確認まで。エルメ+GAS+Googleスプレッドシートで作る、弁護士事務所向けLINE自動化システムの全体像と設計を、初心者にもわかるように1記事にまとめました。

📁 LINE公式アカウント✖️Lmessage(エルメ)の作り方、集客、自動化の設計ガイド 🔧 エルメ / GAS / Google スプレッドシート ⏱ 読了目安:約40分
🗺️
第1章LINE自動化の全体像
設計図案 | 弁護士事務所

弁護士事務所のLINE自動化、
まずは「全体像」から理解しよう

「弁護士事務所でLINEを使って予約や書類のやりとりを自動化したい。でも、何から手をつければいいのか分からない……」。
そんな方のために、この記事では〇〇弁護士事務所(架空のモデル事務所)を題材に、LINE自動化システムの全体像をできるだけかみ砕いて解説します。専門知識がなくても、読み終えるころには「なるほど、こういう仕組みなのか」とイメージできるはずです。

1. そもそも、何のためにLINEを使うの?

弁護士事務所には、毎日たくさんの「連絡」が発生します。相談の予約、日程の調整、書類の受け渡し、費用のお知らせ、案件の進み具合の報告……。これらを電話やメールで一件ずつ対応していると、スタッフの時間がいくらあっても足りません。

そこで活躍するのが、多くの人が毎日使っているLINEです。依頼者にとっては「いつものLINEで連絡できる」という安心感があり、事務所にとっては「決まったやりとりを自動化できる」という大きなメリットがあります。

🎯このシステムが目指すこと
  • 新規・既存の依頼者が、相談予約をLINEだけで完結できる
  • 書類の受け取り確認や提出のお願いを自動で通知する
  • 費用の見積もりや請求をペーパーレスで伝える
  • 弁護士・スタッフの対応の手間を減らす
  • すばやいフォローで依頼者からの信頼を高める
POINT

大切なのは「人がやるべき仕事」と「機械に任せられる仕事」を分けること。予約の受付や定型的な通知は機械に任せ、弁護士は法律相談という本来の専門業務に集中できるようにするのが狙いです。

2. 使う道具は4つ。それぞれの役割

このシステムは、4つの道具(ツール)を組み合わせて作ります。それぞれ「何が得意な道具なのか」を知っておくと、全体の仕組みがぐっと理解しやすくなります。料理に例えるなら、それぞれが違う役割を持つ調理器具のようなものです。

①LINE公式アカウント(Messaging API)

依頼者と事務所をつなぐ「窓口」です。お店が持つLINEアカウントのようなもので、依頼者はここを友だち追加してメッセージのやりとりをします。「Messaging API」とは、このLINEを外部のプログラムから操作するための仕組みのことです。

②エルメ(L Message)

LINEの自動化を、プログラミングなしで実現できる便利なツールです。「友だち追加されたら自動であいさつを送る」「相談内容ごとにラベル(タグ)を付けて整理する」「数日後に自動でメッセージを送る」といった作業を、管理画面の操作だけで設定できます。このシステムの司令塔といえる存在です。

③GAS(Google Apps Script)

Googleが提供する無料のプログラム実行環境です。「LINEで受け取った情報を表計算ソフトに書き込む」「決まった時間に自動でメッセージを送る」など、エルメだけでは難しい細かな処理を担当する裏方の働き者です。

④Googleスプレッドシート

Googleの無料の表計算ソフト(Excelのようなもの)です。依頼者の情報、予約の記録、書類の管理、費用の履歴などをすべてここに保存・一覧管理します。このシステムの「データベース(情報の保管庫)」の役割を果たします。

補足:LIFFについて

必要に応じて「LIFF(リフ)」という仕組みを追加すると、LINEの中で入力フォーム(日時選択など)を表示できます。今回はオプション扱いなので、まずは上の4つを押さえておけば十分です。

3. 全体の流れ ― データはどう動く?

4つの道具がどうつながっているのか、データの流れを一本の線で追ってみましょう。依頼者がLINEで何か操作すると、情報は次のようにバトンタッチされていきます。

🙋依頼者の
操作
→
💬LINE
公式
→
🎛️エルメ
シナリオ
→
⚙️GAS
処理
→
📊スプレッド
シート

たとえば依頼者が「相談を予約する」ボタンを押すと、その情報はLINEを通じてエルメに届きます。エルメは「予約のシナリオ」を起動して必要な情報を聞き出し、最後にGASが予約内容をスプレッドシートに書き込みます。そして自動で「予約を受け付けました」という確認メッセージが依頼者に返信される――という流れです。

ここがポイント

依頼者は「LINEでメッセージを送っているだけ」なのに、その裏では4つの道具が連携して、自動的に記録と返信を行っている。これがこのシステムの面白いところです。

4. 5つの場面で、システムは何をしている?

実際の事務所で起こる代表的な5つの場面ごとに、「依頼者の操作」「エルメの動き」「GASの処理」「データの保存先」を整理しました。表の各行が、ひとつの場面に対応しています。

依頼者の操作 エルメの動き GASの処理 保存先シート
友だち追加 ウェルカムメッセージを送り、「相談前」のステータスタグを付ける 依頼者情報を新しい行として追加 依頼人マスタ
相談予約ボタンをタップ 入力フォーム起動、または会話形式で受付 予約台帳に書き込み、確認メッセージを返信 相談予約台帳
書類を写真で送信 画像の受信を検知してGASを呼び出す Googleドライブに保存し、台帳に記録 書類管理台帳
(スタッフが費用を確定) (スタッフが費用管理台帳に金額を入力し、送信フラグを立てる) 毎朝9時に台帳を確認し、LINEへ費用のお知らせを自動送信 費用管理台帳・送信ログ
進捗確認ボタンをタップ 案件の最新状況を取得して返信 シートから最新状況を検索し、返信文を作成 案件管理台帳

こうして見ると、どの場面でも「エルメが受け付け → GASが処理 → スプレッドシートに記録」という同じ型を繰り返していることが分かります。一見複雑そうに見えても、根っこの仕組みはとてもシンプルなのです。

💡初心者がつまずきやすいポイント
  • エルメとGASの役割の違い:エルメは「会話の流れ」を担当、GASは「記録や時間指定の処理」を担当、と覚えると整理しやすいです。
  • すべてを自動化しなくていい:費用の確定など、判断が必要な部分はスタッフが手動で行います。「自動」と「手動」のバランスが大切です。

📝まとめ

この記事では、弁護士事務所のLINE自動化システムの全体像を見てきました。要点をおさらいすると――

  • 目的は「定型業務の自動化」で、弁護士が本来の業務に集中できるようにすること
  • 使う道具はLINE公式・エルメ・GAS・スプレッドシートの4つ
  • データは「依頼者の操作 → LINE → エルメ → GAS → スプレッドシート」と流れる
  • どの場面も「受付 → 処理 → 記録」という同じ型の繰り返し
NEXT ARTICLE
次は「友だち追加からスプレッドシート記録までの流れ」を
さらに詳しく解説していきます 📲
👤
第2章ユーザー登録フロー設計
設計図案 | 弁護士事務所

友だち追加〜タグ付け〜スプレッドシート記録

全体フロー構成図

依頼人が友だち追加した瞬間から、スプレッドシートに記録されるまでの全体像です。5つのステップが順番に自動で動きます。

🙋 依頼人 友だち追加 STEP 1 検知 🎛️ エルメ ウェルカム配信 STEP 2 回答 🏷️ エルメ タグ付与 STEP 3 Webhook ⚙️ GAS シートに書込 STEP 4 記録 📊 スプレッド シート保存 STEP 5 🎛️ エルメ:リッチメニュー切替(STEP 5 オプション) タグに応じてLINE下部メニューを「相談前」→「受任済」→「完了後」に自動切替 ✅ GASから確認メッセージを自動返信 ※ 点線=オプション機能 破線矢印=自動返信の流れ
【図1】ユーザー登録フロー全体図。友だち追加 → ウェルカム配信 → タグ付与 → GAS書込 → スプレッドシート保存の5ステップで自動完結。

5ステップ 詳細解説

1

友だち追加(QRコード・検索)

依頼人が受付カード・名刺・ホームページに掲示されたQRコードを読み取り、LINE公式アカウントを友だち追加します。この瞬間、エルメ側で「フォローイベント」が検知され、ウェルカムシナリオが即座に起動します。あわせてエルメからGASへ通知が送られ、GASが依頼人マスタへ新規行を追加します。

エルメ:フォロートリガー GAS:新規行追加
2

ウェルカムメッセージの自動配信

友だち追加と同時に、エルメのステップ配信(Day0)が起動し、あいさつメッセージを自動送信します。同時に「ご相談の種類を教えてください」とクイックリプライ(選択ボタン)を提示。依頼人はタップひとつで答えられます。弁護士事務所では、この質問の前に補足①の個人情報同意を1つ挟む設計をおすすめします。

〇〇弁護士事務所のLINEへようこそ。
はじめに、どのようなお悩みをお持ちですか?
離婚 相続 債務整理 労働問題 その他
エルメ:ステップ配信 Day0
3

相談種別の選択 → タグ自動付与

依頼人がボタンをタップすると、その回答に応じてエルメがタグ(目印ラベル)を自動で付与します。タグは後から「特定の人だけに絞って案内を送る」ために使います。

タップした選択肢付与されるタグ後から使える活用例
離婚#相談種別_離婚離婚に関する情報・書類チェックリストを自動送信
相続#相談種別_相続相続に必要な書類一覧を自動送信
債務整理#相談種別_債務整理債務整理の流れを解説したメッセージを自動送信
労働問題#相談種別_労働労働問題の相談手順を案内
その他#相談種別_その他汎用的な問合せ窓口へ誘導
+ 全員に自動付与:#ステータス_相談前(初期ステータス)
エルメ:タグ付与アクション
4

GAS:依頼人マスタへの書込

エルメのWebhookからGASが呼び出され、依頼人の情報をスプレッドシートの「依頼人マスタ」シートへ自動記録します。ステータス列は「相談前」で初期化されます。

📌 GAS — handleFollow() / 友だち追加時の依頼人DB登録
function handleFollow(json) {
  const uid   = json.source.userId;
  const name  = getUserProfile(uid).displayName;
  const ss    = SpreadsheetApp.openById(SHEET_ID);
  const sheet = ss.getSheetByName("依頼人マスタ");

  sheet.appendRow([
    new Date(),  // A列:登録日時
    uid,         // B列:LINE UID
    name,        // C列:LINE表示名
    "",          // D列:本名(後で更新)
    "",          // E列:電話番号
    "",          // F列:メールアドレス
    "",          // G列:相談種別
    "相談前",   // H列:ステータス(初期値)
    "",          // I列:担当弁護士
    ""           // J列:備考
  ]);
}
GAS:appendRow Sheets:依頼人マスタ
構成上の大事な注意(Webhookは1つだけ)

LINE公式アカウントの「Webhook(受信窓口)」は1つしか設定できず、この設計ではエルメが占有しています。そのためGASはLINEから直接メッセージを受け取ることができません。GASを動かすときは、エルメの外部連携(Webhook送信・アクション)からGASのURLを呼び出す構成にします。上のコードの json の中身はエルメから送られてくる形式に合わせて読み替えてください。GASからLINEへメッセージを送る(push)ことは、LINEのアクセストークンがあれば問題なく行えます。

5

リッチメニューの切替(オプション)

付与されたタグに応じて、エルメのリッチメニュー切替機能でLINE下部メニューを相手に合わせた内容に変更します。ステータスが変わるたびに自動で切り替わります。

タグ表示メニュー切替タイミング
#ステータス_相談前相談前メニュー(予約・費用・FAQ等)友だち追加時(初期)
#ステータス_相談済相談前メニューのまま(受任まで)初回相談後にスタッフがタグ変更
#ステータス_受任済案件進行中メニュー(進捗・書類・質問等)受任確定後にスタッフがタグ変更
#ステータス_完了完了後フォローメニュー(紹介依頼等)案件完了時にスタッフがタグ変更
エルメ:リッチメニュー切替

スプレッドシート:依頼人マスタ シート設計

友だち追加のたびに1行ずつ自動追加されます。GASが書き込む列(A〜C・H)、エルメが書き込む列(G)、スタッフが手動で更新する列(D〜F・I・J)に分かれています。

📊依頼人マスタ(Google スプレッドシート)
列 カラム名 型・入力例 更新元
A 登録日時 2026/06/15 14:23:05 GAS自動
B LINE UID Uxxxxxxxxxxxxxxxxx GAS自動
C LINE表示名 山田 太郎 GAS自動
D 本名 山田 太郎(初回相談時に取得) 手動 / LIFF
E 電話番号 090-XXXX-XXXX 手動 / LIFF
F メールアドレス example@email.com 手動 / LIFF
G 相談種別 離婚 / 相続 / 債務整理 / 労働 / その他 エルメ
H ステータス 相談前 → 相談済 → 受任済 → 完了(ブロック時は「ブロック中」) GAS初期値 / 手動更新
I 担当弁護士 〇〇 太郎 手動
J 備考 自由テキスト 手動
設計上の注意

B列「LINE UID」は変更されない固有IDです。このUIDを使って他のシート(予約台帳・書類台帳など)とVLOOKUPで紐づけるため、絶対に編集・削除しないこと。

データフロー詳細図(エルメ ↔ GAS ↔ Sheets)

エルメとGASがどのように連携してデータをやりとりするか、詳細な流れを示します。

🎛️ エルメ ① フォロー検知 ② メッセージ配信 ③ タグ付与 Webhook POST送信 ⚙️ GAS doPost(e) 受信 handleFollow() 実行 appendRow() 書込 書込 1行追加 📊 スプレッドシート A:登録日時 B:LINE UID C:LINE表示名 H:ステータス=相談前 ✅ 確認メッセージを自動返信(pushMessage)
【図2】エルメ・GAS・スプレッドシートのデータフロー詳細。WebhookでエルメからGASへ情報が渡り、GASがシートに1行書き込む。同時に確認メッセージが依頼人へ自動返信される。

設計のポイント

✅ この設計で実現できること
  • 友だち追加から情報記録まで、エルメの設定と短いGASだけで自動完結
  • タグによって依頼人を相談種別ごとに自動仕分け。後の一斉配信やメニュー切替に活用できる
  • スプレッドシートをデータベースとして使うため、追加費用ゼロで一覧管理が可能
  • ステータス管理(相談前→受任済→完了)をタグとシートで二重管理し、見落としを防ぐ
  • 第3章のGAS連携を組めば、スタッフはシートのH列を更新するだけでリッチメニューが自動切替される
注意事項

LINE公式アカウント無料プランのメッセージ送信数は月200通です。依頼人数が増えてきたら有料プランへの切り替えをご検討ください。また、依頼人の個人情報が記録されるスプレッドシートは、アクセス権限を弁護士・スタッフのみに限定することを強くおすすめします。

補足① 個人情報の取り扱い同意(弁護士事務所として必須)

弁護士事務所では、相談内容そのものが極めて機密性の高い個人情報です。LINEで情報を収集する以上、友だち追加の早い段階で「個人情報の取り扱いに関する同意」を取得しておくことが望ましい設計です。STEP2のウェルカムメッセージの中に同意確認を組み込みます。

ご相談にあたり、いただいた情報は法律相談の目的にのみ使用し、第三者へ提供することはありません。
下記に同意のうえ、お進みください。
同意して進む プライバシーポリシーを見る
依頼人の操作システムの動き記録
「同意して進む」をタップタグ #同意取得済 を付与し、相談種別の選択へ進む依頼人マスタのJ列(備考)に同意日時を記録(列を1つ足して「同意日時」列にしてもよい)
「プライバシーポリシーを見る」をタップ事務所のプライバシーポリシーページ(URL)へ誘導—
⚠️ #同意取得済 タグがない依頼人には、相談予約フローを進められないよう設計するのが安全です。
弁護士法・守秘義務の観点

同意取得の記録(日時)を残しておくことで、後々のトラブル防止になります。また、相談内容のLINEログは弁護士の守秘義務の対象であることを念頭に、退職スタッフのアカウント権限を速やかに削除するなどの運用ルールも併せて整備してください。

補足② 友だち削除・ブロック時の挙動

依頼人がアカウントをブロックしたり友だち削除したりすると、エルメ側で「アンフォローイベント」が検知されます。この場合の挙動も設計に含めておくと、データの整合性が保てます。

イベント推奨される処理担当
ブロック/友だち削除依頼人マスタのステータスを「ブロック中」に更新(行は削除しない)GAS自動
再追加(ブロック解除)既存のUIDを検索し、新規行を作らず既存行のステータスを戻すGAS自動
設計のコツ

友だち削除されてもシートの行は消さないのがポイント。過去の相談履歴や案件記録が紐づいているため、行を消すとデータが孤立します。「ブロック中」フラグで管理し、再追加時はUIDで既存行を照合します。

補足③ 実装前チェックリスト

このフローを実際に構築する前に、以下を準備・確認しておくとスムーズです。

📋 構築前に準備するもの
  • LINE公式アカウントの開設と、エルメとの連携設定
  • Googleアカウント(スプレッドシート・GAS用)
  • 「依頼人マスタ」シートを作成し、A〜J列のヘッダー行を入力済みにしておく
  • GASのスクリプトプロパティに SHEET_ID と LINE_TOKEN を登録
  • GASを「ウェブアプリ」としてデプロイし、URLをエルメのWebhookに設定
  • 事務所のプライバシーポリシーページを公開しておく(同意フロー用)
よくあるつまずき

GASのWebhookが動かない場合、多くはデプロイ時のアクセス権限設定が「全員」になっていないことが原因です。また、シートのヘッダー行(1行目)を作り忘れると appendRow がずれるので、必ず先にヘッダーを用意してください。

📝 設計まとめ

第2章「ユーザー登録フロー」の設計ポイントを整理します。

  • フローは5ステップ:友だち追加 → ウェルカム配信 → タグ付与 → GAS書込 → シート保存
  • エルメが「フォロー検知・メッセージ配信・タグ付与」を担当
  • GASが「Webhook受信・handleFollow()実行・appendRow書込」を担当
  • スプレッドシートの依頼人マスタは10列構成(A〜J)
  • タグ(#相談種別・#ステータス)がその後のすべての自動化の鍵になる
  • 弁護士事務所では個人情報の同意取得を友だち追加の早い段階で組み込むのが安全
  • 友だち削除されてもシートの行は消さず「ブロック中」フラグで管理する
  • リッチメニュー切替はオプションだが、受任後のUXを大きく向上させる
NEXT
次は「リッチメニュー設計図」へ 📱
📱
第3章リッチメニュー&タグ管理設計
設計図案 | 弁護士事務所

リッチメニュー詳細設計 & タグ管理設定

設計の全体像

リッチメニューは、依頼人のステータス(相談前・受任済・完了)に応じて3種類を自動で切り替えます。切替の判断材料になるのが「タグ」です。この設計図では、3つのメニューの詳細レイアウト、タグの命名規則、エルメでの切替設定、GAS連携までを網羅します。

タグの変化に応じてメニューが自動で切り替わる 相談前 📱 相談前メニュー #ステータス_相談前 予約・費用・FAQなど 6ボタン 受任 受任済 📊 案件進行中メニュー #ステータス_受任済 進捗・書類・質問など 6ボタン 完了 完了 🤝 完了後メニュー #ステータス_完了 紹介依頼・口コミ等 4ボタン ※ スタッフがタグを付け替えるだけで、依頼人側のメニューが自動で切り替わる
【図1】3つのリッチメニューと、対応するステータスタグの関係。

メニュー①:相談前(友だち追加直後)

まだ相談していない人向け。最も取ってほしい行動「相談予約」を左上に配置します。

メニュー②:案件進行中(受任後)

正式依頼後の人向け。「案件の進捗確認」を左上に置き、案件を前に進める操作をまとめます。

メニュー③:完了後フォロー(案件完了後)

案件が終わった人向け。紹介や口コミのお願いなど、リピート・紹介につなげる内容にします。ボタンは4つにしぼってシンプルに。

タグ管理設計(命名規則)

タグは「カテゴリ_値」の形式で統一します。種類ごとにプレフィックス(接頭語)を分けることで、管理画面で絞り込みやすくなります。この設計では、大きく7カテゴリのタグを使います(④以降は第5〜7章で詳しく解説します)。

カテゴリタグ名付与タイミング付与者主な用途
① ステータス管理タグ(リッチメニュー切替の軸)
ステータス#ステータス_相談前友だち追加時エルメ自動相談前メニュー表示・育成配信
ステータス#ステータス_相談済初回相談後手動受任前フォロー
ステータス#ステータス_受任済受任確定時手動案件進行中メニュー表示
ステータス#ステータス_完了案件完了時手動完了後メニュー表示・紹介依頼
② 相談種別タグ(コンテンツの出し分け)
相談種別#相談種別_離婚種別選択時エルメ自動離婚関連の情報配信
相談種別#相談種別_相続種別選択時エルメ自動相続関連の情報配信
相談種別#相談種別_債務整理種別選択時エルメ自動債務整理関連の情報配信
相談種別#相談種別_労働種別選択時エルメ自動労働問題関連の情報配信
相談種別#相談種別_その他種別選択時エルメ自動汎用窓口へ誘導
③ 同意・属性タグ
同意#同意取得済同意ボタン押下時エルメ自動予約フロー解放の条件
④ 支払タグ(第6章で詳説)
支払状況#支払_請求済 / #支払_完了 / #支払_期限超過費用通知時 / 振込完了ボタン押下時 / 期限翌日GAS自動 / エルメ自動 / GAS自動未払いリマインド・費用台帳の支払確認更新
支払方法#支払方法_PayPay / #支払方法_振込支払方法選択時エルメ自動支払方法別の案内・集計
⑤ 書類タグ(第5章で詳説)
書類提出#書類提出_戸籍謄本 など書類種別の選択時エルメ自動提出済み書類の把握
提出状況#提出状況_一部 / #提出状況_完了 / #提出状況_再提出依頼初回受領時(自動)/ スタッフ確認後エルメ自動 / 手動未提出リマインド
⑥ 案件フェーズタグ(第7章で詳説)
案件#案件_書類収集中 / #案件_交渉中 / #案件_調停中 / #案件_解決案件の進行に応じて手動案件の絞り込み・一斉連絡
⑦ 期日タグ(第7章で詳説)
期日#期日_間近 / #期日_当日期日の3日前 / 当日朝GAS自動期日リマインド
命名のルール

ステータスタグは「相手に必ず1つだけ付く」よう運用します。例えば「受任済」を付けるときは「相談前」を外す。複数のステータスタグが同時に付くと、どのメニューを出すか判定できなくなるためです。相談種別タグは複数付いてもOKです。なお、表で「GAS自動」としたタグは、GASからエルメのタグを操作する必要があるため、本章後半のエルメAPI連携が前提です。API連携が使えないプランでは、スタッフがエルメ管理画面で付け替える運用にしてください。

エルメでの切替設定 手順

エルメの管理画面で、タグとリッチメニューを紐づけます。以下が設定の流れです。

リッチメニューを3種類作成する

エルメの「リッチメニュー」メニューから、相談前・案件進行中・完了後の3つを作成。それぞれにボタンと遷移先(アクション)を設定します。

各メニューに「表示条件タグ」を設定する

相談前メニュー →「#ステータス_相談前が付いている人に表示」と条件指定。同様に受任済・完了メニューにもそれぞれのタグを条件設定します。

タグ付与アクションを各ボタンに仕込む

例:「相談を予約する」ボタン → タップ時に予約シナリオを起動。「同意して進む」ボタン → #同意取得済タグを付与、といったアクションを設定。

ステータス切替時のタグ入れ替えを設定する

「受任済」タグを付けると同時に「相談前」タグを自動で外す設定(タグの排他処理)を入れます。エルメのシナリオ機能で「タグ追加+タグ削除」をセットで実行します。

ステータスタグの自動切替(GAS連携)

スタッフがスプレッドシートの「ステータス」列を変更したら、GASがエルメAPI経由で自動的にタグを付け替える設計も可能です。手動のタグ操作を減らし、ミスを防ぎます。

📌 GAS — onEditでステータス変更を検知し、エルメのタグを切り替える
function onEdit(e) {
  const sheet = e.source.getActiveSheet();
  if (sheet.getName() !== "依頼人マスタ") return;

  const col = e.range.getColumn();
  if (col !== 8) return;  // H列(ステータス)以外は無視

  const row    = e.range.getRow();
  const uid    = sheet.getRange(row, 2).getValue();  // B列:UID
  const status = e.value;  // 変更後のステータス

  // ステータス → 付与タグ/除去タグの対応表
  const map = {
    "相談前": "#ステータス_相談前",
    "相談済": "#ステータス_相談済",
    "受任済": "#ステータス_受任済",
    "完了":   "#ステータス_完了"
  };

  const addTag = map[status];
  if (!addTag) return;

  // 他のステータスタグを全て外し、新しいタグだけ付与
  Object.values(map).forEach(tag => {
    if (tag !== addTag) removeElmeTag(uid, tag);
  });
  addElmeTag(uid, addTag);  // エルメAPIでタグ付与
}
✓ この自動化のメリット
  • スタッフはシートのステータス列を選ぶだけ。タグ操作が不要に
  • タグの付け忘れ・外し忘れによるメニュー誤表示を防げる
  • ステータスとタグが常に一致するため、データの整合性が保たれる
実装メモ

addElmeTag() removeElmeTag() は、エルメのAPI(またはWebhook経由)でタグを操作する関数です。エルメ側でAPI連携の設定が必要になります。API未対応のプランの場合は、スタッフがエルメ管理画面で手動切替する運用に切り替えてください。

📝 設計まとめ

リッチメニュー詳細設計とタグ管理のポイントを整理します。

  • メニューは相談前・受任済・完了の3種類。ステータスタグで自動切替
  • 各ボタンにタップ時のアクション(シナリオ起動・GAS検索・URL遷移)を定義
  • タグは「カテゴリ_値」形式で統一。ステータス・相談種別・同意・支払・書類・案件・期日の7カテゴリ
  • ステータスタグは常に1つだけ付く運用(排他処理)
  • エルメで「メニューの表示条件タグ」と「ボタンのタグ付与アクション」を設定
  • GASのonEditでシート編集と連動させれば、タグ切替を完全自動化できる
NEXT
次は「相談予約・書類受付・費用通知・進捗確認」の
4つのシナリオ設計へ 🗓️
🗓️
第4章シナリオ① 相談予約
設計図案 | 弁護士事務所

シナリオ①:LINEで「相談予約」を
最後まで完結させる仕組み

主要シナリオ設計シリーズ(全4パート)
①相談予約 / ②書類受付 / ③費用通知 / ④進捗確認

弁護士事務所のLINE自動化で、最初に作りたいのが「相談予約」のシナリオです。
依頼者がメニューをタップしてから予約完了まで、料金の案内・相談内容の入力・日時の決定を、すべてLINEのトーク内で完結させます。さらに今回は、その裏側で動く「タグ管理」の仕組みまで詳しく解説します。

1. まず料金をはっきり伝える理由

法律相談で多くの人が不安に感じるのが「いくらかかるのか分からない」という点です。そこでこの設計では、予約フローの一番最初に料金を明示します。先にお金の話をクリアにしておくことで、依頼者は安心して予約に進めます。

初回相談(30分)
無料
初回のみ
以降の相談(30分ごと)
¥5,500
税込 / 30分単位
料金の目安(早見)

60分まで → 5,500円 / 90分まで → 11,000円 / 120分まで → 16,500円。初回30分は無料で、それを超えた分から30分ごとに加算されます。受任(正式依頼)に至った場合は、相談料を着手金に充てます。

2. 予約完了までの6ステップ

依頼者がリッチメニューの「相談を予約する」をタップすると、予約シナリオが起動します。完了までの流れは次の6ステップです。

1

料金の自動案内

予約フローが始まると同時に、上で紹介した料金表をLINEで自動送信します。「内容を確認しました」ボタンをタップすると次へ進みます。

2

相談内容の入力

「どんなご相談か」を依頼者にテキストで入力してもらいます。あらかじめ書いてほしい項目を案内すると、スムーズに集まります。

ご相談の概要をお聞かせください。
「件名」「お困りの状況」「相手との関係」「いつ頃から」の4点を書いていただくとスムーズです(500文字以内)。

入力された内容は、自動でスプレッドシートの予約台帳に記録されます。弁護士は相談前に内容を把握できるので、当日の相談がぐっと深まります。

3

希望日時の入力

「ご希望の相談日を教えてください(例:6月10日 14時)」と案内し、依頼者に希望日時を送ってもらいます。この日時は予約台帳だけでなくエルメの「友だち情報」にも保存しておきます。後述のリマインダ配信は、この日付を基準に送信日時を決めるためです。

4

相談方法の選択

来所・電話・オンライン・LINEビデオの4つから、希望の相談方法を選んでもらいます(詳しくは次の節で)。

5

仮予約の確認通知

ここまでの情報(日時・方法・相談内容)が予約台帳に記録され、依頼者には「仮予約を受け付けました」という確認メッセージが自動で届きます。スタッフが確認後、正式確定の連絡をします。

6

前日リマインドの予約

予約日の前日18時に、自動でリマインドが送られるようセットされます(詳しくはこの章の後半で)。

3. 相談方法は4つから選べる

依頼者の都合に合わせて、相談方法を4つ用意します。クイックリプライ(選択ボタン)でタップひとつで選べます。

ご希望の相談方法をお選びください。
来所相談 電話相談 オンライン(Zoom) LINEビデオ
「LINEビデオ」を選んだときは

LINEビデオ通話での相談を選んだ場合は専用フローに進みます。流れは「①通話のかけ方の事前案内 → ②相談後にスタッフが相談時間を確認 → ③料金のお知らせ → ④支払方法(PayPay・銀行振込)を選択 → ⑤支払完了ボタン」の5段階です。支払状況をタグで追いかける方法は、第6章の「費用通知」で解説します。

4. 前日リマインドで「すっぽかし」を防ぐ

予約をしても、当日うっかり忘れてしまう人は少なくありません。そこで、予約日の前日18時に自動でリマインドメッセージを送ります。

明日 14時からのご相談をお待ちしております🙏
場所は〇〇です。ご不明点はこちらからどうぞ。

これはエルメの「リマインダ配信」(予約日を基準に「前日18時」のように時刻を指定して自動送信する機能)で自動化できます。スタッフが毎回手動で送る必要はありません。リマインドがあるだけで、予約のキャンセル忘れや来所忘れを大きく減らせます。

リマインドの落とし穴

リマインドは「仮予約」ではなくスタッフが正式確定したあとに送る設計にします。また、前日18時を過ぎてから予約が確定した場合は、自動リマインドの送信時刻がすでに過ぎているため送られません。この場合だけはスタッフが手動で一言送る、というルールを決めておくと安心です。

💡ここまでのシナリオのポイント
  • 料金を最初に提示することで、依頼者の不安を解消
  • 相談内容を事前に集めることで、弁護士が準備した状態で相談に臨める
  • 相談方法を4つ用意し、依頼者の都合に柔軟に対応
  • 前日リマインドの自動化で、すっぽかしを防止

5. 予約フローで「タグ」はこう動く

ここまで紹介した予約フローの裏側では、依頼者に「タグ」という目印が自動でついています。タグとは、依頼者一人ひとりに貼る付箋(ふせん)のようなもの。「この人は離婚相談」「この人は同意済み」といった情報をラベルとして記録しておくことで、あとから相手に合わせた案内を自動で送れるようになります。

相談予約のフローでは、依頼者の操作に応じて次の3種類のタグが動きます。

① 相談種別タグ(どんな相談か)

予約フローに入る前、または相談内容を入力する段階で、依頼者がどの分野の相談かを選びます。その選択に応じて、相談種別のタグが自動でつきます。

依頼者が選んだ分野自動でつくタグ
離婚#相談種別_離婚
相続#相談種別_相続
債務整理#相談種別_債務整理
労働問題#相談種別_労働
その他#相談種別_その他

このタグがあると、たとえば「離婚相談の人にだけ、離婚調停の流れを解説するメッセージを送る」といった分野別の情報提供ができます。全員に同じ案内を送るのとは、伝わり方が大きく変わります。

② 同意タグ(個人情報の取り扱いに同意したか)

弁護士事務所では、相談内容そのものが非常に重要な個人情報です。そこで予約フローの早い段階で「個人情報の取り扱いへの同意」を確認し、同意した人には #同意取得済 のタグをつけます。

ご相談にあたり、いただいた情報は法律相談の目的にのみ使用し、第三者へ提供することはありません。下記に同意のうえお進みください。
同意して進む プライバシーポリシー
同意タグの使い方

#同意取得済 のタグがない人には、予約フローを先に進められないように設計します。こうすることで、同意のないまま個人情報を集めてしまうことを防げます。弁護士の守秘義務の観点からも、同意の記録(日時)を残しておくことが大切です。

③ ステータスタグ(今どの段階の人か)

予約フローを完了すると、依頼者のステータス(状態)を表すタグがつきます。最初は全員 #ステータス_相談前 から始まり、相談・受任・完了と進むにつれて、スタッフがタグを付け替えていきます。

ステータスタグどんな段階かつけるタイミング
#ステータス_相談前まだ相談していない友だち追加時(自動)
#ステータス_相談済初回相談が終わった相談後(スタッフ)
#ステータス_受任済正式に依頼を受けた受任確定後(スタッフ)
#ステータス_完了案件が終わった案件完了時(スタッフ)
大事なルール

ステータスタグは、1人につき必ず1つだけつくように運用します。たとえば「受任済」をつけるときは「相談前」を外す、という具合です。これによって、その人が「今どの段階にいるか」が常にはっきりします。このステータスタグは、リッチメニューの自動切替にも使われます。

タグの動きを時系列で見ると

予約フローの中で、タグがどう増えていくかを順に見てみましょう。

🏷️予約完了までのタグの変化
  • 友だち追加した時点 → #ステータス_相談前 がつく
  • 相談分野を選んだ時点 → #相談種別_◯◯ が追加
  • 個人情報に同意した時点 → #同意取得済 が追加
  • 予約が完了した時点 → 3つのタグがそろい、予約台帳にも記録される

こうして集まったタグは、このあとの育成メッセージ・リッチメニュー切替・分野別の情報提供など、さまざまな自動化の土台になります。予約を取るだけでなく「次につながる情報」を同時に整理できるのが、タグ設計の大きなメリットです。

📝まとめ

相談予約シナリオの設計ポイントを整理します。

  • 予約フローは料金案内 → 内容入力 → 日時 → 方法 → 確認 → リマインドの6ステップ
  • 初回30分は無料、以降30分ごと5,500円(税込)を最初に明示
  • 相談内容はスプレッドシートに自動記録され、弁護士が事前に把握できる
  • 相談方法は来所・電話・Zoom・LINEビデオの4種類
  • 前日18時の自動リマインドで予約忘れを防ぐ
  • 予約フローの裏で相談種別・同意・ステータスの3種のタグが自動でつく
  • ステータスタグは1人に1つだけ。リッチメニュー切替にも使われる
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次のシナリオ②は「書類の受付・受領確認」を
解説します 📄
📄
第5章シナリオ② 書類受付
設計図案 | 弁護士事務所

シナリオ②:LINEで「書類」を
受け取り、自動で整理する仕組み

主要シナリオ設計シリーズ(全4パート)
①相談予約 / ②書類受付 / ③費用通知 / ④進捗確認

弁護士の仕事では、戸籍謄本や契約書など、たくさんの書類を依頼者から預かります。
これを「メールで送ってもらう」「郵送してもらう」では手間がかかります。そこでLINEで写真を送るだけで書類を受け取り、自動でフォルダに整理する仕組みを作ります。今回はタグ管理による提出状況の管理まで詳しく解説します。

1. なぜLINEで書類を受け取るのが便利?

依頼者にとって、スキャナーで取り込んだりメールに添付したりするのは意外と面倒な作業です。一方、スマホで写真を撮ってLINEで送るだけなら、誰でも簡単にできます。普段使っているLINEだからこそ、提出のハードルが下がります。

事務所側にもメリットがあります。送られた書類が自動でGoogleドライブに保存され、台帳に記録されるので、「どの書類を誰からいつ受け取ったか」が一目で分かるようになります。

2. 書類を受け取る4ステップ

依頼者がリッチメニューの「書類を送る」をタップ、または画像やPDFをトークに送ると、書類受付のシナリオが起動します。

1

書類の種類を選ぶ

まず、どんな書類を送るのかを選んでもらいます。種類を先に聞いておくことで、後から整理しやすくなります。

送付される書類の種類をお選びください。
戸籍謄本 源泉徴収票 契約書 その他
2

写真やPDFを送る

依頼者は、書類を撮影した写真やPDFファイルを、そのままLINEのトークに送るだけ。特別なアプリや操作は必要ありません。

3

自動でドライブに保存・記録

送られたファイルは、システムが自動でGoogleドライブの依頼者専用フォルダに保存します。同時に「書類管理台帳」に、受領日時・書類の種類・保存先リンクが記録されます。

4

受領確認の自動返信

保存が完了すると、依頼者には自動で受領確認のメッセージが届きます。「ちゃんと届いたかな?」という不安を、その場で解消できます。

戸籍謄本を受領しました📄
確認のうえ、追ってご連絡いたします。ありがとうございました。

3. 送られた書類はどこに保存される?

送られた書類は、Googleドライブの「依頼者ごとのフォルダ」に自動で振り分けられます。さらに、スプレッドシートの「書類管理台帳」に次の情報が記録されます。

📁書類管理台帳に記録される内容
  • 受領日時:いつ届いたか
  • 誰から:どの依頼者からか
  • 書類の種類:戸籍謄本・契約書など
  • 保存先リンク:ドライブ内のファイルへのリンク
  • 確認ステータス:受領済 / 確認中 / 再提出依頼 / 確認完了

スタッフは台帳を見るだけで、書類の確認状況を管理できます。「この依頼者からまだ契約書をもらっていない」といった抜け漏れも一目で分かります。

セキュリティの注意

戸籍謄本などの書類には重要な個人情報が含まれます。保存先のGoogleドライブやスプレッドシートは、アクセス権限を弁護士・スタッフのみに限定してください。また、定期的なバックアップも忘れずに行いましょう。

構成上の注意(画像の受け取り方)

第2章でふれたとおり、LINEからの受信窓口(Webhook)はエルメが占有しています。そのため画像やPDFはまずエルメが受け取り、GASはエルメの外部連携から「誰が・どの書類を・いつ送ったか」の通知を受けて、LINEのコンテンツ取得APIでファイルを取り出し、ドライブに保存する構成になります。この部分は少し技術的なので、構築の際はエルメの外部連携の仕様をご確認ください。

4. 書類受付で「タグ」はこう動く

書類受付のフローでも、依頼者に「タグ」が自動でついていきます。書類管理でのタグは、主に「どの書類を提出したか」「提出がそろったか」を見える化するために使います。誰がまだ書類を出していないかを、ひと目で把握できるようになります。

① 書類提出タグ(何を提出したか)

依頼者が書類を送ると、その種類に応じた「提出済み」のタグが自動でつきます。

提出された書類自動でつくタグ
戸籍謄本#書類提出_戸籍謄本
源泉徴収票#書類提出_源泉徴収票
契約書#書類提出_契約書
その他#書類提出_その他

このタグを見れば、「この依頼者は戸籍謄本は出したが、契約書はまだ」といった提出状況がひと目で分かります。タグがついていない書類は「未提出」ということです。

② 提出状況タグ(書類がそろったか)

案件に必要な書類がすべてそろったら、まとめて状況を表すタグをつけます。これは主にスタッフが確認のうえ付与します。

提出状況タグどんな状態かつけるタイミング
#提出状況_一部一部の書類だけ提出済み最初の書類を受領時(自動)
#提出状況_完了必要書類がすべてそろったスタッフが確認後(手動)
#提出状況_再提出依頼不備があり再提出が必要確認で不備発見時(手動)
タグと台帳の使い分け

細かいファイル名や保存先リンクは「書類管理台帳」に記録し、タグは「ざっくりした提出状況」を表すのに使うと、役割がきれいに分かれます。タグは一斉配信やリマインドの絞り込みに、台帳は詳細な記録の確認に、それぞれ活躍します。

③ タグを使った「提出のお願い」自動化

タグがあると、書類がまだそろっていない人にだけ、自動でリマインドを送ることができます。

お手続きに必要な書類のうち、まだ「契約書」を受け取れておりません📄
お手すきの際に、こちらのトークへ写真をお送りください。

たとえば #提出状況_一部 のタグがついたまま3日経った人へ、自動で「まだの書類があります」とお知らせする、といった設計ができます。スタッフが一人ずつ催促する手間がなくなります。

タグの動きを時系列で見ると

🏷️書類提出にともなうタグの変化
  • 最初の書類を送った時点 → #書類提出_◯◯ と #提出状況_一部 がつく
  • 2通目・3通目を送るたび → #書類提出_△△ が追加されていく
  • スタッフが「すべてそろった」と確認 → #提出状況_完了 に切替
  • 不備が見つかった場合 → #提出状況_再提出依頼 に切替して案内

こうしてタグで提出状況を管理すれば、「誰の・どの書類が・どこまで進んでいるか」がチーム全体で共有できます。書類のやりとりにありがちな「言った・言わない」「出した・出してない」のトラブルを防げます。

📝まとめ

書類受付シナリオの設計ポイントを整理します。

  • 依頼者はLINEで写真を送るだけ。提出のハードルが下がる
  • 流れは種類選択 → 送信 → 自動保存 → 受領確認の4ステップ
  • 書類は自動でGoogleドライブの依頼者フォルダに振り分けられる
  • 書類管理台帳で「誰の・何を・いつ受け取ったか」を一元管理
  • タグで提出状況(一部・完了・再提出)を見える化
  • 未提出の人にだけ自動リマインドを送れる
  • 個人情報を扱うため、アクセス権限の限定とバックアップが必須
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次のシナリオ③は「費用の見積・請求通知」を
解説します 💰
💰
第6章シナリオ③ 費用通知
設計図案 | 弁護士事務所

シナリオ③:LINEで「費用」を通知し、
支払いを確認する仕組み

主要シナリオ設計シリーズ(全4パート)
①相談予約 / ②書類受付 / ③費用通知 / ④進捗確認

弁護士費用のやりとりは、お金のことだけにていねいさが求められます。
紙の請求書を郵送する代わりに、LINEで費用を通知し、支払いの確認までできる仕組みを作ります。今回はタグ管理による支払状況の見える化まで、詳しく解説します。

1. なぜ費用通知を自動化するの?

費用の連絡は、金額や期限を正確に伝える必要があります。電話だと言い間違いや聞き間違いが起こりがちですし、郵送だと時間もコストもかかります。LINEなら、文字で正確に・すぐに・記録が残る形で伝えられます。

さらに、スプレッドシートに金額を入力しておけば、決まった時刻に自動で通知を送れます。スタッフが一人ずつ手作業で送る必要がなく、送り忘れも防げます。

他のシナリオとの違い

費用通知はお金が絡む大切な連絡なので、金額の確定はスタッフが手動で行います。「自動化していい部分」と「人が確認すべき部分」を分けているのがポイントです。

2. 費用を通知する3ステップ

費用通知は、スタッフがスプレッドシートに金額を入力するところから始まります。

1

費用台帳に金額を入力(スタッフ)

スタッフがスプレッドシートの「費用管理台帳」に、金額・内訳・支払期限を入力します。送ってよい状態になったら「送信フラグ」に印(○)を付けます。

2

毎朝9時に自動でLINE送信

毎日朝9時になると、システムが台帳をチェックします。「送信フラグ=○」の行を見つけると、その依頼者のLINEへ自動で費用のお知らせを送ります。送った後はフラグが「送信済」に変わるので、二重送信の心配もありません。なお、GASの時間トリガーは「9時〜10時」のように1時間の幅で動く仕様のため、厳密な9時ちょうどではなく「9時台」に送られると考えてください。

3

支払確認ボタン付きで通知

費用のお知らせには、「支払い完了」を知らせるボタンが付いています。

【費用のお知らせ】
金額:330,000円(税込)
内訳:着手金
お支払期限:6月30日

お支払いが完了しましたら、下のボタンをタップしてください。
✓ 振込完了を報告する

3. 支払い確認はボタンひとつ

依頼者が振込を済ませて「振込完了を報告する」ボタンをタップすると、システムが自動で「支払済」の印を付けます。スタッフが通帳を見て一人ずつ消し込む手間が減ります。

💡支払い確認の流れ
  • 依頼者が「振込完了」ボタンをタップ
  • システムが自動で費用台帳を「支払済」に更新
  • 支払期限が近づいても未払いの場合は、自動でやさしくリマインド(期限の3日前)
ていねいな運用のために

ボタンのタップはあくまで「依頼者からの自己申告」です。最終的な入金確認は、必ず通帳やオンラインバンキングでスタッフが行ってください。LINEの仕組みは「やりとりをスムーズにする補助」と考えるのが安全です。

4. 費用通知で「タグ」はこう動く

費用通知のフローでは、「タグ」を使って支払状況を見える化します。誰が支払い済みで、誰がまだなのか。これをタグで管理することで、未払いの人にだけリマインドを送ったり、支払い済みの人へお礼を送ったりが自動でできるようになります。

① 支払状況タグ(払ったか・まだか)

費用通知から支払い完了まで、依頼者の状況に応じてタグが切り替わります。

支払状況タグどんな状態かつくタイミング
#支払_請求済費用を通知した(まだ未払い)費用通知の送信時(自動)
#支払_完了振込完了の報告があった「振込完了」ボタン押下時(自動)
#支払_期限超過期限を過ぎても未払い支払期限の翌日(自動)

依頼者が「振込完了を報告する」ボタンをタップすると、#支払_請求済 が外れて #支払_完了 に切り替わります。タグを見るだけで、支払状況がひと目で分かります。

② 支払方法タグ(PayPay か 振込か)

LINEビデオ相談などで支払方法を選んでもらった場合は、その方法を表すタグもつけておきます。後から「PayPayで払った人」「振込で払った人」を分けて集計するのに便利です。

支払方法つくタグ
PayPay#支払方法_PayPay
銀行振込#支払方法_振込

③ タグを使った「未払いリマインド」自動化

タグがあると、まだ支払いが済んでいない人にだけ、自動でやさしくリマインドを送れます。

お支払期限が近づいております。
金額:330,000円(着手金)
期限:6月30日

お振込がお済みでしたら、行き違いの際はご容赦ください🙏

たとえば #支払_請求済 のタグがついたまま支払期限の3日前になった人へ、自動でお知らせする設計ができます。支払いが済んだ人(#支払_完了)には送られないので、行き違いも起こりません。

タグと台帳の連動

支払状況タグは、スプレッドシートの「費用管理台帳」の支払確認列と連動させます。ボタンが押されてタグが #支払_完了 に変わると、台帳の支払確認も自動で「支払済」に更新される、という設計です。タグと台帳がいつも一致するので、二重管理になりません。

タグの動きを時系列で見ると

🏷️費用通知にともなうタグの変化
  • 費用を通知した時点 → #支払_請求済 がつく
  • 期限が近づいても未払い → 自動リマインドを送信
  • 「振込完了」ボタンを押した時点 → #支払_完了 に切替(台帳も更新)
  • 期限を過ぎても未払いの場合 → #支払_期限超過 に切替してスタッフに通知

こうしてタグで支払状況を管理すれば、「誰がまだ払っていないか」がチーム全体で共有できます。督促のタイミングを逃さず、かつ支払い済みの人に間違って催促してしまうミスも防げます。

📝まとめ

費用通知シナリオの設計ポイントを整理します。

  • 費用は文字で正確に・記録が残る形でLINE通知
  • 流れは台帳入力 → 毎朝9時に自動送信 → 支払確認の3ステップ
  • 金額の確定はスタッフが手動で行い、送信は自動化
  • 依頼者は「振込完了」ボタンをタップするだけで報告できる
  • タグで支払状況(請求済・完了・期限超過)を見える化
  • 未払いの人にだけ自動リマインド。支払い済みの人には送らない
  • 最終的な入金確認は必ずスタッフが通帳等で行う
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最後のシナリオ④は「案件の進捗確認」を
解説します 📊
📊
第7章シナリオ④ 進捗確認
設計図案 | 弁護士事務所

シナリオ④:LINEで「案件の進捗」を
自動で答える仕組み

主要シナリオ設計シリーズ(全4パート・最終)
①相談予約 / ②書類受付 / ③費用通知 / ④進捗確認

依頼者が一番気にしているのは「自分の案件、今どうなっているんだろう?」ということ。
そのたびに電話で問い合わせるのは、お互いに手間がかかります。そこでボタンをタップするだけで、案件の最新状況が自動で返ってくる仕組みを作ります。最後のこの章では、タグ管理による案件フェーズの見える化まで解説します。

1. なぜ進捗確認を自動化するの?

案件が進んでいる間、依頼者は不安なものです。「書類はちゃんと提出されたかな」「次はいつ動くんだろう」と気になります。かといって、そのたびに事務所へ電話するのは気が引ける――。そんなとき、LINEでサッと確認できると依頼者は安心します。

事務所側も、同じ問い合わせに何度も対応する手間が減ります。スタッフがスプレッドシートに進捗を記録しておけば、依頼者からの「今どうなってる?」にシステムが自動で答えてくれます。

2. ボタンを押すと何が起きる?

依頼者がリッチメニューの「案件の進捗を確認」をタップすると、システムが裏側でスプレッドシートを調べ、その人の案件の最新状況を取り出して返信します。

👆進捗ボタンを
タップ
→
⚙️システムが
台帳を検索
→
📊最新状況を
取り出す
→
💬自動で
返信

ポイントは、スタッフが進捗を更新しておくだけでよいこと。依頼者がいつボタンを押しても、その時点での最新情報が自動で返ります。リアルタイムの「お問い合わせ窓口」が、人手をかけずに完成します。

3. 実際に届くメッセージ例

依頼者のLINEには、こんなふうに分かりやすく整理された進捗メッセージが届きます。

【案件進捗のご確認】
案件名離婚調停サポート
ステータス調停期日 第3回 待ち
直近の更新5/28 家庭裁判所へ書面提出
次回期日6/15 10:00 東京家庭裁判所
ご不明な点は「弁護士に質問する」からお送りください。
💡進捗メッセージに含める情報
  • 案件名:どの案件についてか
  • 現在のステータス:今どの段階か
  • 直近の更新:最後に動いた内容
  • 次回期日:次に何かが起きる日
運用のコツ

この仕組みが活きるかどうかは、スタッフが進捗をこまめに更新できるかにかかっています。期日の後や書類提出のタイミングなど、「案件が動いたら台帳を更新する」を習慣にすると、依頼者にいつも正確な情報が届きます。

4. 進捗確認で「タグ」はこう動く

進捗確認のフローでは、「タグ」を使って案件のフェーズ(段階)を見える化します。今どの段階の案件がいくつあるのか、期日が近い案件はどれか。これをタグで管理することで、案件全体の状況をチームで把握しやすくなります。

① 案件フェーズタグ(今どの段階か)

案件の進み具合に応じて、フェーズを表すタグをつけます。案件が進むたびに、スタッフがタグを次の段階へ切り替えます。

案件フェーズタグどんな段階か
#案件_書類収集中必要な書類を集めている段階
#案件_交渉中相手方と交渉している段階
#案件_調停中調停・裁判が進行している段階
#案件_解決案件が解決した段階

このフェーズタグを使えば、「今、交渉中の案件は何件あるか」「調停中の依頼者は誰か」を、タグで絞り込んでひと目で確認できます。#案件_調停中 の人だけにまとめて連絡する、といったこともできます。

② 期日リマインドタグ(次の期日が近い)

次回期日が近づいた案件には、自動でタグをつけて注意をうながします。これは主にシステムが日付を見て自動でつけます。

期日タグどんな状態かつくタイミング
#期日_間近次回期日まで3日以内期日の3日前(自動)
#期日_当日次回期日が今日期日当日の朝(自動)
期日タグの活用

#期日_間近 のタグがついた依頼者へ、自動で期日のお知らせを送れます。「6月15日10時から、東京家庭裁判所での調停期日です」といったリマインドを、人手をかけずに届けられます。期日の見落としや連絡漏れを防げます。

③ 進捗確認タグ(依頼者が確認したか)

依頼者が進捗確認ボタンを押した記録もタグで残せます(例:#進捗確認_直近 をボタン押下時に付与し、7日後に自動で外す)。これを見ると、「最近進捗を気にしている依頼者」が分かり、こまやかなフォローに役立ちます。

たとえば、#案件_交渉中 なのに依頼者が何度も進捗を確認している場合は、不安が大きいサインかもしれません。スタッフから一度ていねいに状況を説明する、といった対応のきっかけになります。

タグの動きを時系列で見ると

🏷️案件の進行にともなうタグの変化
  • 受任した直後 → #案件_書類収集中 がつく
  • 交渉・調停へ進むたび → #案件_交渉中 → #案件_調停中 と切替
  • 次回期日が近づいた → #期日_間近 が自動でつき、リマインド送信
  • 案件が解決した → #案件_解決 に切替(完了後のフォローへ)

こうしてタグで案件フェーズを管理すれば、案件の全体像がチームで共有できます。進捗確認の自動返信と組み合わせることで、依頼者は「いつでも状況が分かる安心感」を、事務所は「案件管理のしやすさ」を、どちらも手に入れられます。

📝まとめ

進捗確認シナリオの設計ポイントを整理します。

  • 依頼者はボタンひとつで案件の最新状況を確認できる
  • システムが台帳を検索し、その人の案件状況を自動で返信
  • スタッフは進捗を更新しておくだけでよい
  • メッセージには案件名・ステータス・直近の更新・次回期日を含める
  • タグで案件フェーズ(書類収集・交渉・調停・解決)を見える化
  • 期日が近い案件には自動でタグがつき、リマインドを送れる
  • こまめな台帳更新が、依頼者の安心につながる
SERIES COMPLETE
主要シナリオ設計シリーズは以上です。
お読みいただきありがとうございました 🙏
※ 本記事は架空の事務所を想定したサンプルの構築例です。掲載コードはサンプルであり、ご利用は自己責任でお願いします。